なぜ、あなたの時間は「使途不明金」になるのか
「毎日、夜遅くまで働いている。こんなに“忙しい”のに、なぜ月末に振り返ると確かな成果が見えないのだろう?」
── この違和感の正体は、時間の使い方が曖昧になっていることに尽きます。
私たちはお金の出入りを家計簿や会計帳簿で管理する一方、人生そのものである「時間」という最も貴重な資本については、どんぶり勘定で済ませてしまいがちです。その結果、多くの時間が目的の曖昧な「使途不明金」となり、価値を実感できないまま流れ去っていきます。
Slice の思想は、この根源的な課題に対し極めてシンプルな解決策を提示します。それは、あなたの時間を「会計」することです。
時間の「仕訳」という思考法
会計の本質は、お金の流れに「勘定科目」というタグを付け、その意味と構造を可視化することにあります。Slice は、この思考法を「時間」に応用します。日々の業務時間を、次の 2 つのシンプルな勘定科目に仕訳してみましょう。
| 勘定科目 | 定義 | 役割 |
|---|---|---|
| P (Profit) | あなたの未来の価値や成長に直接つながる活動 | 攻めの時間 |
| C (Cost) | 日々の活動を維持するために必要な活動 | 守りの時間 |
「今費やしたこの 1 時間は、未来への投資(P)か? それとも現状維持のコスト(C)か?」
この問いを自らに投げかけること。それが、時間の価値と向き合うための第一歩です。
継続のための設計:「30 分」というマジックナンバー
時間管理が失敗する最大の理由は、完璧主義の罠です。1 分単位の記録は必ず挫折します。会計でも、いきなり 1 円単位を追うのではなく、まずは「月次」「四半期」といった大きな視点で全体像を把握します。時間も同じです。
そこで Slice は、**「30 分」**という無理なく続けられる大枠で時間を捉えることを基本としています。この単位は、人間の集中力のサイクルや情報を塊で記憶する「チャンク化」という認知特性にも合致した、極めて合理的な選択です。
完璧な記録ではなく、継続可能な習慣。そこにこそ、本質的な変化が生まれます。
思想の核心:自分の「弱い心」と向き合う
私たちは、人間が本質的に「楽をしたい」という弱い心を持っていることを否定しません。しかし、本当に自分の可能性を信じるのであれば、その弱さに迎合するのではなく、向き合うための仕組みが必要です。
Slice の根底には、「人は本来、成長したいという善なる欲求を持っている(性善説)」という、人間に対する深い信頼があります。その善なる欲求の実現を阻む「弱い心」を乗り越えるため、あえて会計という厳格なフレームワークを提供するのです。
これは、あなたを管理するためのツールではありません。あなたが本来持つ可能性を最大限に引き出すための知的トレーニングであり、信頼できるパートナーなのです。
次のステップへ
「時間を会計する」という思想は、個人の働き方だけでなく、組織全体の生産性をも変革する力を秘めています。このコンセプトを組織的に実践し、チームの力を最大化するための具体的経営フレームワークが 「タイムスライスマネジメント™」 です。
